11/19(土)大津港小川丸でタチウオ釣り

 

先週すでに3回もいっている京急大津駅近くの大津港でのボート釣り。来月はいつ行こうかなあとボケーッと考えていたら、前々回一緒にいった修行僧から「土曜日、行きましょう!」と無茶なメールが来た。いやいや、私はいったばかりで体が疲れきっているんだよ、年老いた私を殺す気ですか、そんなの行くに決まっているじゃいか。でも体力的にボート漕ぐのとアンカーを上げるのは無理なのでお願い。っていうのは先週も先々週も書いた気がするな。デジャブーだろうか。まあいいや。本当にこれでいいのだろうか。

そんな訳で今月4回目のボート釣り。ほら、前回でカサゴのポイントとかもわかったし、アジもイシモチもきっと釣れるし、いつ死ぬかわかんないし。天気もよさそうだし張り切っていつものように始発電車に乗って旅立つのだよ。

釣り道具の使用頻度が高いので最近は玄関に出しっぱなしだ。 ブオーン。

途中、乗り換えをする横浜近くで朝焼けを眺めならが今日の大漁を祈願してると、横浜駅で合流予定の修行僧から「正直すまん!」という佐々木健介みたいなタイトルのメールが来た。

乗り換え間違えた。一本後の電車になるかも。

あああああ。まあ間違えたものは仕方ない。とりあえず先にいって京急大津駅で待つ事にする。暇なので意味のない写真とかとったり、観光マップを見てうんうん唸ったり。ふう。

朝焼けだあ。 横浜駅から特急に乗る。修行僧は次々初の特急らしい。

踏切から横浜方面。 踏切から太陽方面。

観光ルートでも歩こうかな。歩かないけれど。

ぼけーっと待つ事20分、ようやくエンジン、いや修行僧到着。どうやら反省して頭を丸めてきたらしい。いや、坊主頭は前からか。あれ、先週一緒にいった人も坊主頭だったな。流行?まあいいか。ゴロゴロと荷物を積んだ台車を引っ張りながら、大津港へとテクテクと向かう。なんか心無しか北風が強い気がするが気のせいだろうか。天気予報だと強くても風速3メートルとかだったけれど。まあ多少風が吹いていても、ボート漕ぐのは私じゃないしね。ほら、私の方が数ヶ月年下かもしれないけれど、血管年齢とか骨年齢は私の方が上だから。えっへん。

ボート屋到着。あれ、なんかいつものような活気がない。修行僧が遅刻したせいかしらと思ったが、海に出て行くボートが一艘もない。あれー?。いつも利用している石田ボートのおばちゃんに聞いてみたら「今日は風が強いからボートは中止!」といわれちゃった。あわわ。ど、どうしよう。朝早くこんなところまできて釣りできないってよ。アジとかイシモチ釣ろうと思っていたので、防波堤釣りの道具とかないし。よし、そんな時は乗合船だ。確か大津港は5000円で半日釣りの船がでていたような気がする。石田ボートの石田丸は仕立て船しかやっていないので、すぐ隣の小川丸にいってみる。

人がいないぞ。 強風のため中止。

私「すみません、アジ釣りの船は出ますか?」
小川丸のおっちゃん 「今日のアジは午後だけ!午前はタチウオ!タチウオやんなよ!今釣れているよ!
私「いや、いきなりタチウオっていわれても。ボート釣りの道具しかないっす」
おっちゃん「大丈夫!全部貸す!5000円!
私「じゃ、じゃあ、ええと、お願いします!」

ふう、お気楽にボート釣りをするつもりが、なぜかタチウオ釣りの乗合船になってしまった。乗合船なんて乗るの昨年のイイダコ釣り以来だよ。しかもタチウオ。漢字で書いたら太刀魚だ。タチウオ釣りなんていう男らしい釣りは一生縁がないものと思っていたけれど、でもまあいいか。きっとこれも運命だ。細長くてウロコのない魚(ウナギやらアナゴやらサメやら)を釣るのは得意だし。そんな訳で船宿にてごっつい竿とリールを借り、タチウオの仕掛けをサービスでいただく。ちなみにタチウオ釣りの水深は120メートルらしい。普通は電動リールでやる釣りらしいぞ。でも電動リールのレンタルは高いので(1500円とかだが)、若さでアタック手巻きリールでゴーだ。ちなみに修行僧はリールだけ自前の物があるらしい。なんでボート釣りにきてそんなリールを持ってきているのかは謎だ。さあ、借りた道具と12リットルのちっこいクーラーボックスを持って張り切って乗船だ。しかし、このクーラーボックスにタチウオって入るのかね。まあ釣れてから考えよう。

小川丸。 道具は全部レンタルだい。

黄色いお船に乗り込み、空いていた船の先っぽの方に乗り込む。今日のお客さんは私たちをいれても10人くらいと結構空いていてうれしいなと。込んでいるとオマツリしちゃうからね。出船を前に、いかにもベテランっぽいじいさんに「ああ、手巻きなんだ。手巻き辛いよー。タチウオは深いよー。でも若いから大丈夫!」と不安になるような励ましを受け、ついでに使い方がわからなかった竿受けのセッティングまでしてもらう。じいさんありがとう。手巻きでがんばるよ。

サンキューじいさん。 本当に釣れるのかしら。

そんな訳で、強風吹き荒れる大海原にタチウオを求めて出航。ちなみにどこにいくのかは知らない。ああ、本当にタチウオ釣りの船に乗っちゃっているよ。なんとドラマチックな展開よのう。海上は予想していた以上に波風共に強く、船がドップンドップン揺れている。もしかしたら船酔いしちゃうかもなあとちょっと不安。口から撒き餌撒いても水深120メートルだと無意味だしなあ。などと考えながら船のデッキで相席になったおっちゃん達と話す。なんでもおっちゃん達は前回のタチウオ釣りが初めてだったのだが、一匹も釣れなかったらしい。あわわ。不安倍増。そしてやっぱり手巻きの私たちに対して「手巻きかあ(遠い目)。でも若いから大丈夫!ポイントの移動も多いけれどがんばって!」と他人事丸出しで温かく励ましてくれる。「もうあんまり若くないんだけれど」と修行僧がボソリ。なんだか小学校低学年の頃、自転車をまだ持っていなかった私が、自転車を持っていた兄達と一緒に出かける時、自分だけ走って後を追いかけていたことを思い出し、ちょっと涙がこぼれそうになった。

目的地なんか知らない。 波が高ーい。

さらば大津港。 お日様。

この人もタチウオ釣ったことない。 あれは千葉県の鋸山らしいぞ。

なんか楽しそうな島に釣り人がいる。 あの煙突は、木更津から見えた気がする。

30分程の楽しい航海を終え、全くどこかはわからない謎のポイントに無事到着。風や波も心配していた程強くなく、これならどうにか船酔いしなそう。というか、釣り竿持った瞬間から船酔いというものはどっかに消えてなくなった。ほら、バカだから。支給されたサバの切り身を針に付けて、船長のかけ声を合図に早速釣り開始。

船長「はい、初めてください。水深は180メートルです。底から20メートルくらい上でやってくださいね。


180メートルって。深海じゃん。なんか手巻きリールの限界を超えているような気もするが、まあ仕方ない。他に選択肢がある訳じゃないので諦めてゴーだ。

エサのサバ。うまそうだ。 がんばれ手巻きリール。

100号という生涯縁のないと思っていたオモリを付けたテンビン仕掛けを海に入れて、親指で軽くブレーキを掛けつつリールのロックを外す。シュルルルルルーと糸がどんどん出て行く。どんどんどんどん出て行く。全然止まらない。どんどんどんどん落ちていく。ああ、この糸が出て行った分だけ巻かないといけないのねと思うとかなり気が重い。ああ、200メートル巻いてあるはずの糸が全部出ちゃった。水深は180メートルなんだけれど、流れが速いので斜めに糸がでるから、200メートルじゃ足りなかったらしい。まあそんな日もある。

糸が無くなってしまった。

タチウオっていうやつの釣り方がよくわからなくてまごまごしていたら、なんか隣で釣っていた修行僧が釣れた釣れたと騒いでいる。そんなアホな。まだ釣りを開始して数分しか経ってないぞと疑いのまなざしで眺めていたが、ニヤニヤしながら手巻きリールをグリグリグリグリと巻き上げ、なんとこの船で最初のタチウオを本当に釣り上げやがった。手巻きリールの癖に生意気な。

なんか釣れたらしい。 本当に釣ってるし。

ちくしょう、負けていられねえ。で、どうやって釣るんですか。あ、しゃくりながらリールを巻いて、幅広い棚を探れと。はい、わかりました。がんばります。とかやっているうちに、また修行僧の竿にヒット。なんかサイズアップしているし。ムキー。ちなみにタチウオは太刀魚と書くが、別に掴んでも手は切れない。背びれはヒラヒラと動いてとてもかわいいし。しかし、歯は恐ろしく鋭く、船の中で2人程指から血を流しながら釣りをしていた。これ本当。針を外すときがあぶないので、よい子はラジオペンチとか持っていった方がいいぞ。

大きいじゃないか。 目がでかいのね。

歯が鋭いぞ。

くそう、同じ竿、同じ仕掛けでやっているのに自分だけ釣れないととても悔しいぞ。とか悔しがっていたら右側の人とオマツリしちゃったじゃないか。ゴメンナサイ、素人なもので。ううん、潮が速くて釣りづらい。絡まった仕掛けをほどいていただき、リールを巻き上げてみてビックリ。あら、ちっこいタチウオが釣れている。えー、全然気がつかなかった。最初の一匹がオマツリの最中に釣れるっていうのはどうなのさ。釣れてうれしいんだけれど、できればもうちょっと釣った感触ってやつが欲しいな。でもうれしいや。わーい。

釣れた。いつのまにやら。 複雑な表情。あ、見えませんか。

一匹釣れて私が喜んでいる横で、修行僧は3匹目を軽く釣り上げ、さらには明らかに深海魚っぽいナゾの生物を釣り上げている。周りの人に聞いたら「シロムツ」という魚らしい。「ムツ!高級魚ですね!」と張り切って修行僧が聞いたら「いや、アカムツは高級魚、クロムツもうまい、シロムツはあまりなあ」とかいわれていた。でもうらやましいな。ちょっと食ってみたい。目とか。

シロムツだって。やっぱり目がでかい。 ボートだと思って登山靴で来てしまった。びしょびしょ。でもゴアテックスなので中まで濡れなかった。すごいぞゴアテックス。

ふと気がつけば、船の周りにたくさんの船が集まっており、いつのまにやら大船団になっている。どうやらこの辺りにタチウオがたくさんいるらしく、周りでもバンバンと釣れている。しかし、修行僧だけがぼけーっとしていて釣りをしていない。何をしているのかと聞いてみたら、巻いてあった糸が全部でてしまい、リールに糸を結んでいなかったので、海にそのまま落ちてしまったそうだ。うわあ、本気でかわいそう。それじゃもう釣りできないじゃん。今まで好調に釣っていただけに、かける言葉が見当たらない。ああ、エサのサバを海鳥にあげてるよ。熱燗とか呑んでるし。ま、まあガンバって。そのうちいいことあるよ。

途方に暮れる修行僧。 エサをもらう海鳥。

早くも釣りが終了してしまい暇になった修行僧にカメラを渡して、私は楽しくタチウオ釣り。やっとタチウオの釣り方がわかってきて、どうにかアタリを感じて合わせることに成功。竿を手に持ってグルグルグルとリールを巻くが、いかんせん100号のオモリにゴツい竿、重くって持っていられない。早々に竿を竿掛けにおいてグルグルとリールを巻き続ける。釣りというよりは労働の気がするが、これはこれで結構楽しい。となりのおっさんは電動リールを手に持って楽々とタチウオをあげているが。グルグルグルグルと巻き続けて早幾年、どうにかテンビンが水面まで上がってきて、タチウオの姿が見えてきた。うん、でかい。1メートルくらいある。うははははと抜き上げようとしたその時、無情にも針が外れてタチウオをは海の底へと消えていった。落胆。200メートルの糸を巻き上げた挙げ句に目の前でタチウオに逃げられるっていうのは思ったよりショックがでかいな。よしわかった、この状況を「キャッチアンドリリース」ならぬ「ウォッチアンドリリース」と名付けよう。うん、魚に優しい。心に厳しいが。

釣れたー。 逃げられたー。

しかし、ヘタッピな私でもどうにかポツポツとタチウオは釣れて、11時半の沖上がりまでの間に4匹の捕獲に成功。2匹水面で逃げたので気持ち的には6匹。初めてのタチウオ釣りにしては上出来だと思う。手巻きだし。修行僧は後半暇だったので、私のオマツリした仕掛けをほどいたり、針を外したり、写真を撮ったりと中乗りさんみたいに働いていた。釣りたてのタチウオは思ったより体が柔らかく、小さなクーラーボックスでも問題なく収まった。釣ったサイズが小さいからという話もあるが。私の後ろで釣っていたおっちゃんに釣れたか聞いてみたら「変な魚がいっぱい釣れた」といっているのでクーラーボックスの中身を見せてもらったら、本当に変な魚がいっぱい釣れていた。平べったいのはシマガツオという魚で、別名エチオピアというらしい。どこの国だそれは。外道好きの私としては、是非釣ってみたかった一匹だ。悔しい。

釣れたのだ。 4匹のタチウオゲット。

にぎやかなクーラーボックス。 シマガツオだそうだ。美味しそう。

そして外道といえばもう一匹。船のデッキに横たわる大物発見。まさか憧れのチョウザメかと思ったが、東京湾のアナコンダとして有名なクロアナゴだった。ああ、ちょっと釣りたかった。明らかにクーラーボックスに入らないし食べきれないけれど。

チョウザメかと思ったら。 思ったより柔らかい。プニプニしている

ガオー。

そんな感じで、無事に人生初のタチウオ釣り終了。手巻きなんで辛かったけれど、全く釣ったことも、釣ろうと思ったこともない魚だったので楽しかったな。普段やっているボート釣りが楽しいので、乗合船っていうのを視野にいれてなかったけれど、やってみたらやっぱり楽しいや。お客さんはいいおっちゃんばかりだし、船宿の人はやさしいし。ただ、見知らぬ人とのオマツリするのだけはやっぱり心苦しいけれど。でも、今日みたいに空いた船ならまた来たいぞ。船宿に戻って温かいウドンをごちそうになったら、さあ、第二ラウンドのスタートだ。

うどんうまい。

いや、午後のアジ船がね、午前の船に乗った人は2700円で乗れるっていうからさあ。修行僧も物足りなそうだし。ね。

つづく


買い物してして

こういうの好きかな