9/30 四万十川でウナギ釣り
唐突ですが、我々一行は遙か遠く、四国は高知県の四万十川にまできました。目的は2つ。一つは古民家の宿を満喫すること。そしてもう一つは、四万十川で天然鰻を釣り上げることである。やはりウナギ釣りマニアとしては、四万十の天然鰻を釣らねばならんだろうと。
四万十川に鰻を釣りに行く
ということで、車で14時間かけて四万十川までやってきた。 14時間。もう一度書く。14時間だ。840分だよ。わかってはいたけれど遠かった。
宿泊先となる古民家の宿で一休みしたところで、早速個人的には旅の主目的ともいえる四万十川の鰻釣りへと向かう。遊漁料お一人様八千円也。高い。
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釣り具屋にて。いかにも釣れなそうでいい。 |
四万十川における鰻の釣り方なんてまったくわからないので、普段東京都内でやっているのと同じ釣り方で無理矢理チャレンジすることにする。郷にいれば郷に従えというが、従えてくれる剛の者が居らぬのでな。
「ここだったらウナギがいるはず!」と適当な川の淀みに陣取って、ミミズをつけた針を放り込んでみる。ちなみにミミズはわざわざ同行者が千葉に行って掘ってきた天然物だ。そういうところには努力を惜しまないところが頼もしい。しかし、こんなやり方で四万十川の鰻が釣れるのだろうか。
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手首くらい太いやつが釣りたいです。乳首が立つくらいの興奮がしたいです。個人サイトなのでシモネタを書きました。 |
初日の釣果
初日、日が落ちてくるまでの2時間で、以下の釣果があった。さすが四万十川、びっくりだぜ。
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私:小魚。持ったらウンコされた。リリース。 |
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Dさん:小魚。リリース。 |
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Sさん:空き缶。じゃあキープで。 |
四万十よ…。
やっぱり天然の鰻っていうのは、この道数十年という川漁師が釣る魚であり、東京からひょいとやってきて、ちょこっと竿を出したくらいでは釣れないらしい。 しかし、まだまだ四万十初日だ。諦めるには3日早い。即席で作った鰻釣り仕掛けを沈めておいて、明日の朝回収することにしよう。きっと鰻が釣れているはず。
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これで明日は鰻丼だ。おかわりしてやる。 |
鰻釣り2日目
朝ご飯を食べて、すぐに昨日仕掛けを沈めておいた場所にいき、仕掛けを引き上げる。 天然鰻がそんな簡単に釣れる魚じゃないとはわかっているけれど、今日に限って簡単に釣れちゃうんじゃないかなあと勝手なことを考えながら釣り糸を引っ張ると、ククッという魚が掛かっている手応えがある! あらあら、釣れちゃったよ。さすが俺。
ドキドキしながらゆっくりと糸をたぐる。
よし、釣れた!
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フナかい。 |
四万十川の渓流で育ったヒレの立派なフナが釣れた。 四万十川まで来てフナか。14時間…。一瞬食べようか迷ったのだが、ウナギ以外はリリースするぜ。
ふと前を見ると、9月末の冷たい川で素潜りを楽しんでいたSさんが、素手で同じくフナを捕まえていた。
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なんでこの人は素手で魚を捕まえられるのだろう。 |
そんな自慢げにフナを突き出されても。
まだ諦めない
フナが釣れてしまうということは、きっと餌が小さいのだろうということで、えさ箱から大きなミミズを探す。
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餌を交換中。 |
きゃあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ。
谷川に響き渡る悲鳴。私の悲鳴だ。
誰だよ、怪しく青く光るシーボルトミミズをえさ箱に入れたのは!
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きゃああああああああああああああああああああああああああ。 |
普通のミミズにはだいぶ慣れているのだが、さすがにこのミミズを掘り起こしてしまったときは女子高生みたいな悲鳴を上げてしまった。キャッって。
でもエサにしてみたよ。
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網を振り回しながら「投網買ってこようかな」と、つぶやいていたDさん。 |
よし、夜にまた仕掛けを回収しに来よう。今度こそ鰻が釣れているはずだ。 2匹だな。
夜釣りにチャレンジ
四万十川二日目の夕方、朝に仕掛けた鰻仕掛けを回収に来たが、残念ながらなにも掛かっていなかった。 四万十川のウナギよ、空気を読め。例の特大ミミズは食い逃げされていた。きっと超特大のオオウナギだったに違いない。
このまま宿に戻るのも悔しいので、引き続きちょっくら夜釣りで鰻を狙うことにした。 鰻は夜行性なので、やっぱり夜釣りだろう。 四万十川と十万石まんじゅうは似ている。
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釣れると信じることが大事なのです。 |
まあ夜釣りをしたからって、そう簡単に鰻なんて釣れるものではないらしく、時間だけが過ぎていく。竿先の鈴は残念ながら鳴ってくれない。
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四万十でヘチ釣り。 |
うん、まったく釣れる気配無し。
もう真っ暗になってしまったので、明日の朝に引き上げる仕掛けだけ準備して、そろそろ帰ろうかというタイミングで、さっきから一番真剣に釣りをしていたDさんの竿先がしなった!
みんなの注目が集まる中、釣り上げたのは、…カニだ!
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カニでーす。ハサミが剛毛。 |
カニかあ。
でもこのカニは、確かモズクガニとかいう食べられるカニだった気がするのでキープだ。
とりあえず、今日のところは鰻が釣れず、カニが釣れたので一勝一敗だな。
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カニは茹でて食べたら美味しかった。カニミソ最高。 |
明日こそは鰻が釣れると思います。
鰻釣り3日目
とうとう鰻釣りも3日目だ。明日は朝早くに四国を発つ予定なので釣りをしている時間はない。 今日が鰻釣りラストチャンスなのだ。 きっと今日、オオウナギを釣り上げてハッピーエンドとなるわけか。うん、美しい話の流れだ。
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今日はお弁当をつくってもらいました。 |
さっそく昨日の夜に仕掛けた糸をグッと引っ張ると、すごい重さが伝わってきた。
重い、というか、引っかかったみたい。
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引っかかっちゃった。 |
これが俗にいう根掛かりというヤツだね。 だめだこりゃ。
このまま引っ張ったら糸が切れてしまい、四万十川にゴミを残すことになってしまうなと困っていたら、昨日手づかみでフナを捕まえていたSさんが、「よし、俺に任せろ!」と、足ヒレをつけて元気に川へ潜っていった。
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根掛かりをはずしに行く奇特な人よ。ありがとう。 |
この人、絶対に前世は人間じゃないと思う。鵜とかカモノハシだ。いや、前世が、じゃなくて、現世がカッパなのかもしれない。そういえば頭が濡れていないと調子が悪いとか入っていたような気がする。
Sさんがバッシャンバッシャンと川底へ潜り根掛かりをはずす。しばらくしてプカーっと浮かび上がると、「釣れてる!釣れてる!」と凄い嬉しそうに叫ぶ。釣れている!
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釣れてるって! |
なに、釣れている?
凄いドキドキしながら釣り糸を握り直し、グッと引っ張った。
確かに魚が引っ張る感触が伝わってくる。
また根掛かりしてもやっかいなので、ぐいぐいと一気に引っ張り上げると、残念ながら鰻ではない何かが釣れているようだ。
魚の形が丸っこい。またフナだろうか。
いや、違う! ブルーギルだ!
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四万十川まできてブルーギル。 |
ブルーギル(英名Bluegill、学名Lepomis macrochirus)は、スズキ目サンフィッシュ科に属する魚。北アメリカ原産の淡水魚だが、日本でも分布を広げた外来種である。 |
14時間かけて四万十川まで来て、釣れた魚がブルーギルかよ。なんか一気に力が抜けてしまった。根掛かりをとってくれたSさんは、釣れていた魚がこいつだとわかって大喜びしていた訳だな。
ブルーギルかあ。
キープだな。
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ブルーギルだけれど一応キープ。 |
そんな訳で、四万十川で3日間に渡って鰻釣りにチャレンジした訳だが、結果的には一匹も釣れなかった。やっぱりそう簡単に釣れるものではないらしい。 まあこれでまた今度ここにくる理由ができたということだ。あうー。
ブルーギルを食べる
ついうっかり釣ってしまった四万十川のブルーギル、普通に鱗と内臓を取って、塩を降って囲炉裏で焼いてみることにした。 一般的には泥臭くてあまり美味しくない魚という話だが、こいつは四万十川の清流で育った魚なので、きっと泥臭くないはずだ。きっと。きっと。キットカット。
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囲炉裏で炙られるブルーギル。 |
囲炉裏の上のブルーギル、なんだか新しいことわざみたいだが、焼いたら普通の焼き魚になった。こいつの正体を知らされず、酔っぱらっているときにでも目の前に出されたら、躊躇無く箸が伸びることだろう。私はこの焼き魚の正体を知った上で、素面の状態でこれから食べる訳だが。
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ブルーギル、美味しいような気がしてきた。 |
身の厚い上身のところを箸で軽くほじり、大きめの白い肉片を口に放り込む。
あ、泥臭く、ない。
あれ、全然泥臭くない。かなり美味しい白身魚だこれ。
さすが四万十川、ブルーギルをこれだけ美味しく育てるなんてやるじゃないか。でも、ブルーギルでこれだけ美味しいということは、天然鰻はもっと美味しいんだろうなー。
あー、鰻食べたかったなー。
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