2015/8/22 石巻港の観光記録

ちょっと前の話を補足します

デイリーポータルZで「ホヤの魅力を堪能するツアーにいってきた」っていう記事を書いたんですが、その導入部分を大幅にカットしていたりします。

記事では1ページ目の最後で「この女川駅へと来るまでに、石巻港でマイナス58度の世界を体験したり、漁師さんからカツオを5匹もらいそうになったり、歩道橋の上でウワーってなったり、そりゃもう色々あったのだが全部割愛。」と、割愛されていたところです。

まあ普通の旅日記なんですけど、せっかくなので公開します。

ふぁんふぁんふぁんふぁん……

とりあえず石巻漁港へと向かう

夜行バスが到着した朝6時過ぎの石巻駅周辺は、どこの店も開いていない。そこでこの時間でもなんかやっているであろう、日本有数の規模を誇る石巻魚港へとタクシーで移動。


駅から港がけっこう遠いのでタクシーを利用。震災当時の話を聞きながらのドライブ。

コンビニみたいな三越がかわいかった。

石ノ森章太郎さんの美術館は復旧したみたいです。

石巻漁港には石巻魚市場があるらしいので、早朝でもなにか観光できるかなとお気楽モードで向かったのだが、そこは働く人たちのための港だった。

まあそうだろうなという気もしていたのだが、他に行くところがないので、無理やりにでも観光させていただこう。

タクシーのおじさんが、「え、ここで降りるの!」って驚いていたけどさ。


浮かれモードはゼロだが、さてどうやって観光してやろうか。


凍ったカツオをもらいそうになる

とりあえず海の方へといくと、船からクレーンでなにかを下ろしていた。どうやら冷凍のカツオのようだ。

なんかこういうのテレビで見たことがあるねえと、ちょっと離れたところからぼんやり眺めていたら、船員さんが降りてきてくれた。


観光旅行から社会科見学にシフトチェンジ。

同行者が「これから女川なんですよー」といったら、「じゃああの船で送っていくよ!」と、漁師ジョークが飛び出した。

船員さんの話によると、海の上で活きているうちに瞬間冷凍されたカツオは、口がパカっと開いているらしい。

そんな話をしていたら、わざわざ船に戻ってカツオを持ってきてくれた。


「じゃあこれ、持っていって!」

見せてあげるよという話ではなく、この立派なカツオをくれるらしい。

こりゃどうも!と受け取りそうになったのだが、冷凍……いや冷静に考えると旅は始まったばかりである。むき出しの冷凍カツオを持っての移動は難易度が高いので涙を流しながら辞退。せめて車できていれば!

この旅で一番の後悔だった。


背中が寂しそうで申し訳ないですが、今日のところはお気持ちだけで!


-58℃の世界を体験しよう

このように冷凍のカツオが水揚げされる港なので、当然巨大な冷凍庫もある。

そういえば事前にネットで検索したときに、なにかで冷凍庫に入る体験ができると書かれていたのをちらっと見たが、あそこのことだろうか。


雨のせいでモクモクしていて、より冷凍庫っぽさが増している。

石巻超低温冷蔵庫と書かれた建物は、どう見ても関係者以外お断りっぽい。

入れそうな気配はゼロだったのだが、事務所で「-20℃が体験できるってなにかで読んだのですが」と聞いてみたところ、「いつもは-60℃なんだけど、今日は出荷があったから-58℃くらいかなー」と言いながら、笑顔で案内してくれた。


アフリカ帰りみたいな格好で超低温の世界へと向かう同行者。

お仕事中になんだかすみません。

冷凍庫に入った途端に、鼻毛が凍っていくのがわかった。皮膚の汗がパリパリと凍っていく。

なるほど、これは寒い。


なんというか、全部がパキっと凍っている。

息の白さに浮かれる同行者一同。

ただ寒いというだけなのだが、ここまで寒いと笑えてくる。石巻に寄ってよかったと全員が満足。

今回はアポなしで冷凍庫に入れてもらえたが、これがオフィシャルのサービスなのかは謎なので、もし体験したい方は事前に問い合わせをした方がいいと思います。



斉太郎食堂で刺身定食を食べる

このように行き当たりばったりの石巻漁港見学だが、朝ごはんを食べる場所だけは決めておいた。それがこの斉太郎食堂である。

この周辺でご飯を食べられるような場所はここだけなので、鮮魚を中心とした観光客向けのメニューと、ラーメンやカレーといった漁業関係者向けのメニューが並んでいる。


漁港の食堂で朝ごはんを食べるのって観光っぽいですよね。

土曜日ということもあって、半分くらいは観光客のようです。

お腹が空いているのか空いていないのか、自分でもよくわからない。

せっかくなので刺身定食を頼んでみた。

ナイス刺身!

サバが嬉しい!

で、ここまで書いて、この石巻の話は長くなるからいらないのではと気が付いて、泣く泣くカットしたわけです。

おもしろかったんですけどね。

以下は写真だけ並べて、文章までは書かなかったやつ。港でタクシーがつかまらなかったので、途中まで歩きながら街をみました。

せっかくだからキャプションだけ入れましょうか。


かっこいいガスタンク。

歩道橋に登った人がギリギリで津波から助かったとか。この歩道橋かはわかりませんが。

とりあえず登ってみて、ここでも足元まで津波がきたのかーとイメージしてみる。

家が建ったり、更地だったり。

被害を受けたままの家もいくつか残っていました。

被害を受けた物件がそのままになっているのは、いろいろ理由があるみたいです。

当たり前なんですけど、時間が経てば自動的に復興するっていうもんでもないですね。

けっこう港から離れた場所ですが、津波が二階まできたそうです。

駅前でも膝くらいまで津波がきていました。ホヤねえさんの後ろの青い看板に注目。

石巻はカレー押し。

ということで、早朝の無理矢理な石巻観光でした。

買い物してして

こういうの好きかな