8/6(土)富士山登山富士登山 絶望とか挫折とか希望とか

 

 

富士山七合目とかいう地獄の三丁目あたりを出発し、とりあえず八合目を目指す。そういえば、登山なんてするのは五年くらい前に高尾山とチラッと登っただけだなあ。高尾山の次が富士山か。まあ、富士山登る人は、だいたいみんなそんなもんだろう。登山好きな人は富士山を登らないらしいし。

今日は風もなく、よくわからないけれどたぶん絶好の富士山登山日和でよかったなと。防寒着が怪しいN谷さんも、身軽な装備を若さだけでどうにかしているT羽君も、風邪っぴきで体調不良のF施さんも、山形からきているY木さんも、炭水化物が好きなS藤さんも、体力のなさに自身がある私も、今のところみんな生きている。富士山は基本的に一方通行で登りと下りは別のルートとなっているので、一度登り始めたら基本的には登りきって下山ルートにたどり着かないと戻れない、リタイヤ禁止の素敵な一本道なのでがんばってね。特に私。

七合目を超えると急に坂が急になり、結構な段差をえっちらおっちら杖を頼りに登るようになる。なかなか太ももの筋肉がメキメミいうけれど、こういう岩登りは渓流釣りっぽいので結構好き。とはいっても、富士山の場合は周りに水の気配は一切ないんですがね。底の厚い登山靴を履いてきてよかったな。T羽くんは軽量スニーカーでサクサク登っているけれど。

地獄への一本道。 足場は悪いけれど楽しい岩場。

この辺まで来ると、周りの音は人の音だけで、周りの光はヘッドランプと山小屋の光だけ。頭の中には数日前から聞いているサンボマスターがうろ覚えでエンドレスループ。静寂の中、下界を見下ろすと、遠くに打ち上げ花火が小さく見えた。そうか、そういえば今日は江戸川の花火大会だったっけな。ってアレは多分違う花火大会か。上を見れば我が人生で五本の指に入る満点の星空が広がっている。北斗七星がくっきりと見え、ついでにその脇に小さく輝く、その星が見えると1年以内に死ぬといわれている(北斗の拳で)死兆星も見えてしまうほどの星空。星ってずいぶんいっぱいあるんだねえと素直に感心。N谷さんは「この星、全部名前がついているんだよねえ」と感心してる。確かに。天の川をはっきり見たのは山形に住んでいた頃以来だな。星座がわかる図が欲しい。歩きながらもつい見とれてしまい、うっかり石につまずいて転んで雪だるま式の大惨事になりかける。あ、流れ星だ。ごにょごにょごにょ。

夜景。中央部分の光はヘッドライト。

この辺にくると道も細くなり、だんだんと登山道が混んでくる。なので速く歩こうとしても無理。そんな気は毛頭ないけれど。流れに沿ってダラダラと登り、22時47分に八合目に無事到着。少し寒くなってきたのでフリースを着る。標識によると、頂上まであと2km、約180分の道程らしい。あれ、この調子だとだいぶ早く山頂付いちゃうな。やるな俺。しかし、たかだか2kmの道程で三時間かかるのか。さすが富士山。

道が混んできた。 八合目到着。

とりあえず休憩して、やっぱり非常じゃないけれど非常食を食べたり水分補給をしたりなんだり。ちなみに細かい休憩はちょっといくごとに何回もしていたりする。ほら、先は長いから。

汗だくでございます。 休憩休憩。これ、甘過ぎた。

疲れたよ。


ここでちょっくら問題発生。「食べる酸素」を食べながらがんばっていたY木さんが高山病でダウンぎみ。水分を摂ったり酸素缶を吸ってみたりしているけれどかなり辛そう。この辺は山頂も未だ見えず、下山するのもままならない一番辛い場所で、富士山に登るといった自分に後悔するお年頃の「もうこんな生活いや!」状態。もうちょっと上まで登れば、登りと下りが合流できる場所があるらしいので、無駄に元気なT羽君に重みのある飲み物を持ってもらい、とりあえずそこまでがんばりましょうとなんとか動き出す。S藤さんはなぜかナチュラルハイになっている。私は相変わらす白目を剥いている。高山病もいろいろらしい。

つづく


買い物してして

こういうの好きかな