9/19(月)新しい場所でウナギ釣り

 

 

ウナギ、また食べちゃった。しかし、毎週毎週同じところで同じようにうなぎ釣りをするっていうのは、選挙権もある立派な大人としてどうなんだろうと人生の岐路に立って悩んでいた矢先、いつもの場所で二週連続出会った修行僧の人からメールが到着。どうやら私が以前に善意で教えたというか、いくのが面倒なので調査を押し付けた「親切な人に教わったけれど自分じゃ遠いからいかない場所」で昨日4匹も釣り上げたらしい。なんだとこら。私より先に4匹も釣るとは何事だ。しかも素敵な写真まで添付されているし。私もそんな写真が撮りたいぞ。よし決定、私もそこで釣る。4匹釣る。あ、そのうち一匹は飼いたいからペットサイズ希望。

添付されていた写真。ハサミムシかよ。しかも親子。いい写真じゃないか。

そんな訳でいつも以上に気合いを入れて、自転車を延々漕いで明るいうちに目的地到着。そこはいつもウナギ釣りをしている場所に比べると川幅は狭く流れも弱い。釣りの本やらサイトやらで調べた「ウナギ釣りに適した場所」そのまんまで思わず笑みがこぼれ落ちる。ぽろり。無理すれば自転車でいけるところにこんないい場所があったとはまさに目からウロコ。いや、ウナギにウロコはないのですが。

さあ、いっちょやってやるかとチャリンコから降りると、あらあら、また修行僧の人がいらっしゃる。あんたも好きねえ。とりあえずちょっと離れた場所にポジションを構えて、いつ買ったのかすらよく覚えていない安竿を取り出し釣り開始&いきなりアタリ。早いな。半信半疑で竿を持ち上げてリールを巻くと、グングングンと結構引き込む。おおこのヒキはボラかセイゴかフナかコイかと巻き上げてみたら、食べ頃サイズのウナギさんではないですか。いきなり本命登場ですか。どうやらここのウナギさんはヒキが強いらしい。どうしよう、まだバケツの準備をしていないなあと思ったが根本的に家からバケツを持ってきちゃいないことに気がついた。ないものは仕方ないとゴミ袋を二重にして、そこに水を入れてウナギさんを入れておく。これなら背筋も伸ばせるし、なかなかいいかも。穴が空いたら最悪だが。

あ、修行僧の人だ。今日は袈裟を着ていないらしい。 My竿。明らかに安物だ。

本日のエサ1:熊太郎。 本日のエサ2:エビ。アタリなしだった。

明るいうちからいきなり釣れた。 バケツ代わり。

よし調子なら目標の4匹は余裕でクリアだぜと浮かれていたらまたすぐにリンリンとアタリがきた。リールを巻く感じだと明らかに小物。よしこれは本日の裏テーマ、ペットサイズウナギだなとウッキウキしながら巻き上げると、ウロコのある魚がブラーン。修行僧曰く、こいつはニゴイらしい。なるほど言われてみればそんな気が。ペットサイズといえなくもないがちょっと違うのでリリース。森へお帰り。あ、今書いていて思い出した。私、前にワカサギ釣りにいった高滝湖で釣れたニゴイを食べたことあるな。美味しかったような気がする。ここのは、どうだろな。うーん、次に釣れたら考えるか。

などとガチャガチャやっていたら、修行僧と私の間でやっていたネクタイは冠婚葬祭でしか締めません系のパンチパーマ歴15年みたいなおっちゃんが、バリバリの津軽弁で話しかけてきた。うぅ、この大東京でいきなり津軽弁か。私は東北人を引き寄せるフェロモンでも発しているのだろうか。まあいいやとしばし楽しくウナギ談義。おっちゃん曰く、この川は50〜60センチくらいのウナギが多いらしい。型より数のポイントなのかな。あれ、手首ぐらいのウナギが釣れると聞いたんだけれどまあいいか。捌くコツはウナギを氷水で冷やしてからよく研いだ包丁でさばくことだそうだ。へえそうなんですかと素直に感心したリアクションをしてみる。いいおっちゃんだ。などとおっちゃんと話しているうちに修行僧の人が私より一回り大きいやつを釣り上げている。む。

ニゴイらしい。 いいサイズだ。

その後、日没までアタリなし。満月は奇麗。ええと、昨日が十五夜だから、今日は十六夜か。あ、月面のウサギが跳ねた。ウサギもいいけれどウナギもねっと。うん、これが書きたかっただけ。

立ちっぱなしで腰が痛くなってきたためその辺にあった折り畳み椅子に腰をかけると、一瞬で椅子の足が折れてコントのように後ろにひっくり返る私。どうやら壊れた椅子が放置されていた様子。うーん、むかつく。動画で記録に残っていないのがとても悔しいのでハサミムシと戯れていると、また修行僧の人がさっきと同じくらいのやつを釣り上げ、モデル歩きで喜びを表現している。くう。

座るな危険。 アオイソメを襲うハサミムシさん。

なぜモデル歩き。 食べ頃サイズだなあ。

次は順番的に私だろうと気合いを入れ直してエサを買えようとリールを巻くと、なんか微妙に重い。ハテハテと巻き上げてヘッドライトで照らしてみると、おお、夢にまで見たペットサイズ。素敵すぎる。そしてさらに続けてアタリが。今度のはすんごい引く。グングン引く。このヒキはさすがにウナギじゃないだろう。でもなんかニュリュニュリュしている感じもする。もしやもしや例の手首サイズウナギかしらと力づくで水中から抜き上げてみると、先々週、先週と釣り続けているのと同じサイズのウナギさん。どうやら引きが強かっただけらしい。このサイズでこのヒキって言うことは、手首サイズだとどうなんだろうかねえ。ふう。

ほそいほそい。 ふといふとい。

これで目的ほぼ達成。目標の4匹には一匹足りないけれど、大中小のウナギが釣れたからまあいいかと帰り支度を始めたところでまた鈴がなりやがった。よし、これで自己ベストの4匹だぜえと巻き上げてみると、なんだかウナギにしては妙に太い。ナマズかなとヘッドライトで照らしてみると、ナマズのくせにヒゲが8本くらいある。そして目が紫色に光ってとても怖い。いやーん、どう見ても外人。というか外来種。つーことは、これが噂によく聞くチャネルキャットフィッシュ、通称アメリカナマズってやつですか。しかし、色といい、艶といい、目の色といい、本当にどうみてもアメリカ人だなあ。こんなんが東京の川に住んでいるとは世も末だ。

ナマズかな?。 ヒゲが8本もあるよう。

アメリカナマズですか。たしかにアメーリカン。 にぎやかなゴミ袋。

ああ釣っちゃった。どうしましょ。確かこの魚はアメリカから食用として輸入されたんだけれど、現在は日本の在来種を脅かす害魚として扱われていると聞いたような。永住権がないのね。人の手によって無理矢理釣れてこられた挙げ句に害魚扱いっていうのも勝手な話だが、これ以上増えられても困るのでリリースする訳にもいかない。じゃあ仕方ないから食用だし食べちゃおうかなと生かしたまま持って帰ってみることにする。魚は食用でもこの川の水が明らかに飲用じゃないのが気がかりだが。まあ人間何事も経験だ。


そんな訳で、現在我が家にはウロコのない魚達がいっぱいだ。

にょろにょろ。



はいここで突然怪談。

このウナギ釣り場は、2年くらい前の夏の夜に、私が一人いつもの場所で釣れないうなぎ釣りをやっていたときに、気配なく急に後ろに立っていた見知らぬじいちゃんから「こんな場所よりもっといい場所があるぞ。そこで俺は手首くらいのやつを釣ったんだ。場所はもっとあっちで・・・」って教えてもらった所。その時はわざわざポイントを教えてくれるなんていい人だなあと思ったけれど、今考えると、たぶんそのじいちゃんはオバケだったんだと思う。本当は生きているうちに誰かにマイポイントを教えておきたかったんだけれど、子供や孫は釣りに興味がなくて誰にも伝えられぬままに胃ガンかなんかで死んじゃった人じゃないかな。それがどうにも名残惜しくて、雲の上からなかなか釣れない私を見つけて思わず化けて出てきちゃったんだ。きっとそうだ。

見知らぬじいさんよ、ウナギ釣れたぜ。だから安心して成仏しておくれ。


とかいって、次あそこにいったらそのじいさんが元気にウナギ釣っていたりして。


買い物してして

こういうの好きかな