1/10(月)手打ちパスタ

 

手打ちうどんはいい。小麦粉と塩と水があればできる。で、その昔、塩辛が大嫌いな茅ヶ崎在住の人に、手打ちうどんをオリーブオイルと塩辛で合えた、よく分からない大変生臭い食べ物を食べさせようとしたことがある。あれは悪いことをした。

というわけで、今回はその人が好きだというパスタを手打ちしてみる実験。話が飛んでいるようにも思えますが、私の中では話が繋がっているからいいんです。

手打ちパスタ、前に読んだクッキングパパに載っていたような気もするけれど、部屋の中から本を探すよりはネットで探した方が早いので検索。今日は男らしく作るので、検索キーワードは「男 手打ち パスタ」だ。おおっと、「男は黙ってパスタを食う」という素敵なサイトがひっかかった。いいねえ。2001年から更新されてないけど。とりあえずここを読みながら料理を進めてみることにする。なので詳しいレシピはそっちを読んだほうが早い。

まずは材料を揃えよう。ええと、デュラム小麦、そんなものはSEIYUに売ってない。なのでどう見てもパン用の強力粉でいく。パンをつくる粉だけどパン粉ではない。日本語って難しい。まあいい、パンもパスタもパだ。レシピだと強力粉と薄力粉を半々づつまぜるらしいけれど、面倒なので強力粉100%。一人前が100g、今回は三食分つくるので300g。ええと、はかりが見当たらない。まあいいか、700g入りだから半分弱でだいたい300gだ。ドンブリ。小麦粉を振るふるいも見当たらない。ザル。

どう見てもパン用。 ザルで篩う。

ええと、小麦粉に卵3個、オリーブオイル小さじ3、塩少々。へえ、水いれないんだ。ウドンとは違うんだね。材料をざっとかき混ぜたらネルネルネルネっと。ああ、指やらボールやらに引っ付いて全然まとまらない。くそう、ネルシャツ着てくれば良かった。まあいい、打つ前から打ち粉いれちゃえ。なんか水分が足りない気もするけれど我慢我慢。「発掘!あるある大辞典」の炭水化物抜きダイエット特集を横目で見ながら炭水化物の固まりを捏ねる捏ねる捏ねる。で、気が済むまで練ったらラップをかけて冷蔵庫で生地を一晩寝かす。おやすみ野菜室。

卵、塩、オリーブオイル。 混ぜる。堅いぞ。

本当にパスタになるんですかね。 打つ前から打ち粉。

スライム。 椎茸。

イイ感じの弾力。指紋が残るよ。 ラップをかけて冷蔵庫へ。


新しい朝がきた。カーボンの朝が。そんな訳で窓越しに朝日を浴びながら、こたつにゴミ袋を広げて生地を打つ。うおう、ボールに引っ付いた。負けない。打ち粉、打ち粉、打ち粉。

ちょっとカピカピになった。 ボールにひっついてる〜。

打ち粉でごまかす。 おお、のびるのびる。

なんかこの生パスタの生地、すごい弾力だな。綿棒で延ばしても生き物みたいにまた縮もうとする。たぶん前世はタコとかだな。びにょーん。とっても楽しい。びにょーん。びにょーん。なんかこのままピザにして食べたくなってきたけれど我がアパートに石釜オーブンはないので大人しくきしめんみたいに幅広く切る。カツヨさんじゃないんだから細くなんか切れるか。切った生パスタは、軽く干すらしい。どうしていいのかよく分からないので、とりあえずボールにぶら下げて放置。

太い。 太いので切ってから手で伸ばす。

これで干せてるのだろうか。

さあ、パスタソースをつくろう。フライパンにオリーブオイルをタプタプいれて、鷹の爪とニンニクのスライス、ベーコンを炒める。そこに冷蔵庫の中から取り出した塩辛を〜〜ああ、塩辛ないや。がっかり。ないものはしょうがないので大人しくアンチョビを入れる。だ液の溢れる匂いがフライパンから立ちこめてきたら、ダイスカットのトマト缶詰をえいやといれる。あとは塩、乾燥パセリ、乾燥バジル、乾燥ローレルと乾いた植物を入れてなんとなく煮詰まるまで似る。以上すべて分量はフィーリング。イメージは前につくったカタクチイワシのトマトパスタ

いいにおい。 美味しいかも。

ソース作りと同時進行で生パスタを茹でたいところだけれど、哀しいことに我が家の台所は一口コンロなので、ソースを一旦火から下ろす。空いたコンロで鍋にお湯を沸かして塩を入れ、打ち粉を叩きながらパスタ投入。ううん、パスタってこんなんだっけか。太いパスタというよりも、細長い水団(すいとん)っていう感じだな。といっても今の若いイタリア人は水団なんて知らないか。なんか麺の表面がザラザラボコボコしている。なんだろ、ヤケになって打ち粉を打ちすぎたせいかな。打ち粉の分がザラザラの原因な気がする。それとも単純に麺の水分が少なかったのか、あるいは捏ねるのが足りなかったのか。まあ次回の課題ということで。

麺。 太い。

ゆで加減、正直全然わかんない。もういい。茹だっていると信じてお湯ごとパスタをザルに開ける。すかさず冷水で麺を水洗い、は、しないのか。うどんとどこまでも違うのね〜と納得したら、ソースの入ったフライパンを火にかけて、茹で上がっているはずのパスタを絡める。なんかやっぱりパスタじゃないな。でもまあいいや、とりあえず完成。

絡めるというか、煮込む。 あら、遠くから見れば美味しそう。

いただきマンモス西。それもやっぱりうどんか。まあいいや、ズルリズルリと箸ですすってやる。おお、トマトソースがたっぷり絡んだモチモチザラザラ(もち肌の鳥肌みたいな感じ。いいねえ。)したパスタ、美味しいじゃないですか。明らかに普段食べている乾燥パスタとも、お店で食べるパスタとも違うけれど、これはこれで大変美味しい。トマトソースは七難隠すっていう諺をつくろう。うん。

ああ、麺一本一本の食感がすべて違う。目を閉じると、そこに果てしない宇宙の神秘が広がる。ああ、洗い物面倒だな。

ソースに対して麺が余ったのでもう一品、オリーブオイルとニンニク、鷹の爪、アンチョビで和えてみる。

シンプルに。 シンプルだ。

おお、すごい。自分でつくってビックリした。なんか久しぶりに食べられないほどマズイものつくっちゃったよ。手打ちパスタのもっちりザラザラした表面に、オリーブオイルが絡みすぎて油っこい。そしてアンチョビが強烈に生臭く感じる。これは以前塩辛うどんをつくった時と同じ失敗だな。太麺に生臭は合わない。その点はパスタもウドンも一緒だ。


生パスタ、ちょっと太麺になっちゃったけど、十分美味しかった。まあソース次第だけど。やはり美味しい料理のコツは、分量をちゃんとレシピを守ることだなと締めておく。

パスタマシーン買おうかしら。

買い物してして

こういうの好きかな