03/11(土)自家製ベーコンとパンチェッタを作る

神奈川県某市に潜み住む在野の仙人Nさんが、今度スモーカーを自作するから薫製パーティーをしましょうという連絡が来た。どうやらベーコンやらソーセージやらを作ってウハウハな感じらしい。おお、待ってました、ロハスだ、ロハス。ロハスってなんだ。実は前からベーコンを自作してみたかったんですよ、でも自分の家でやる勇気がなかったんですということで、早速お小遣いを握りしめ、自転車で肉のハナマサまでひとっ走り。ニコニコしながらキロ単位で豚バラ肉を購入だ。ベーコンだベーコンだ。ベーコンが豚バラ肉と大して変わらない値段で売っているけれど、二週間かけて仕込み、煙にまみれながらベーコンを作るのだ。そうだ、ついでだからパンチェッタとかいう豚の塩漬けも作ろう。わーい、ロハスだロハス。だからロハスってなんなのさ。注:ロハスっていう言葉にあこがれているのでなくて、からかっているのです。これ大事。

肉のハナマサ到着。 向かいにあるお店。店名が気になる。

カナダ産豚バラ肉。100gあたり108円の高級品也。それを2.5キロほど購入。 ベーコン、買った方が早いか。いやいやいや。ロハスだロハス。

この塩かわいい。 プルルン。

家に戻り、作り方をネットで適当に確認したら早速仕込みを開始。まずは豚バラ肉に味が染み込みやすいようにフォークでプスプスと穴を開けなくてはいけないのだが、ここで一つ、新しい発見をしたよ。我が家にはフォークがない。

そうか、そういえば買った覚えも使った覚えもないな。お箸の国の人だもの。仕方ないので、ウナギを捌くときに使う目打ちをプスプス刺してみる。フォークはなくても目打ちはあるよと。

大きい方がベーコン。小さい方がパンチェッタ。 えい!

北斗七星もあるよ。あたたたたたたたたた。 脂身がすごいなあ。

まずはパンチェッタの仕込みからやろうかな。仕込みっていっても1203グラムの肉塊に対して、塩をなんとなく50グラムと、10粒の黒胡椒を包丁の柄でぶっ叩いて砕いたものをすり込むだけだけれど。ちなみに食あたりダイエットは自主規制中なので、肉や手をアルコールで除菌しながら作業しております。ちなみにパンチェッタのレシピはKAZUYAというサイトを基本にしております。もし作ってみたい人はそっちを見ましょう。私のはレシピとしてとても読みづらいです。是正しません。

あれ、塩が切れていると思ったけれどまだあった。 塩が手に染みます。

胡椒もまぶします。 除菌スプレー。口にシュってやると酔うの。

で、こいつをバットに乗っけた水切りするやつ(名前がでてこない)において、上から滅菌済み鉄アレイをドーン。

水気を抜くらしい。 鉄アレイが基本らしい。

さて、続けてベーコン。ベーコンのレシピは検索したらいっぱい出てきたんだけれど、その中でも胃袋にぐっと来た、まだ見ぬ強豪KYOEさんのサイトを参考にしてみる。私がやった時の分量は、豚バラ肉1213グラムに対して、塩30グラム(だったと思うけれど、はっきり覚えていない)、砂糖15グラム(ヨーグルト用。深い意味はない。)、葵マリー、じゃなかったローズマリー、タイム、オレガノ、ローレル、その他その辺にあったスパイス類を適当に。カレー粉は入れません。調味料は先に小皿で混ぜてから肉に塗り込んでみました。こいつを超人ロック、じゃなかったジップロックに入れて空気を抜いた状態で冷蔵庫へ。パンチェッタの重りとしても活用。

ベーコンって砂糖使うんだね。 先に混ぜておこう。

塗りたくる。脂で手がツヤツヤになる。 パンチェッタの重りとして冷蔵庫へ。

ベーコンはこのまま1週間から10日、毎日上下をひっくり返して塩抜き、乾燥、薫製。パンチェッタは、仕込み始めた次の日、ピチットシートなる魔法の脱水シートでくるんで、たまにシートを替えながら一ヶ月間熟成させるらしい。このピチットシートというのが曲者で、入手するのがとても大変だったのだよ。あれは昨日のことじゃった。フォアンフォアンフォアンフォアン(回想へ)

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もやしを持ってNさん宅へ遊びにいく途中、パンチェッタを作るために「ピチットシート」を買おうと思い錦糸町をさまようも徒労に終わる。アルカキット、ナカッタ。

まあ東急ハンズにいけばあるだろうと半蔵門線に乗って渋谷まで行き、駅にあった地図でハンズの場所を確認したら、ハンズより近くにLOFTがあるのでいってみる。まあLOFTでもあるだろう。根拠はないが。

途中、手相を勉強していると言い張る判子売りの人に声をかけられるも「手相はいいからピチットシートはどこでしょう」と意味不明のことをつぶやきながら振り切る。

途中、献血にご協力してくださいとの呼び声が気にかかるも、「ピチットシートで血を抜いてくれるのなら協力しましょう」と意味不明のことをつぶやきなら立ち去る。献血は赤十字から電話がきた時だけで勘弁してください。

途中、オシャレブティックのウインドウに映った自分の姿が目に入ったのだが、見事なまでに「田舎から出てきたばかりの芋兄ちゃん」で悲しくなってきた。そりゃ手相の人も声をかけるさ。

どうにかこうにかLOFTにたどり着いたんだけれど、結局ピチットシートは売っていなくて、仕方なくハンズにいこうとしたが場所がよくわからない。勇気を出して宇田川町交番で道をカタコトの日本語で聞こうとしたら、すぐそこにハンズの看板があった。渋谷嫌い。

ピチットシートはとても高くて、お財布の中にあるお金だけでは買えなかった。

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ファンファンファンファン(現実へ)

そんな感じで手に入れた貴重なピチット、しかもスーパー。超高吸収タイプ脱水シート≪手作り干もの・薫製用≫、業務用18枚入りでお値段なんと、2667円。たかー。豚ばら肉より高い。商品名はピチットで、シートはつかないのか。そういえば昔、このピチットで鮫の干物とか作っていたら、ピチットの持ち主に「ちょっと、これ高いんだからね!」とすごい剣幕で怒られた覚えがあるが、なるほど高いね。それは悪いことをした。でもあのときの鮫は抜群にうまかった。さすがピチットだ。

ピチット。スーパーなやつにしてみました。 中身はこんなん。

一晩置いた肉。水気が抜けております。 貴重なピチットを二枚も使って包んで輪ゴムで留めます。ああもったいない。

さらにキッチンペーパーでぐるぐると。

ピチットとキッチンペーパーにくるんだら冷蔵庫に入れて、3日置きくらいでピチットとキッチンペーパーを、もったいなーい、もったいなーいといいながら交換する。もったいなーいので、だんだん交換する期間が広がってきて、後半は5日置きでピチット一枚だけとかになるのは致し方なし。

ピチットでくるんで3日目の肉。 こっちは一週間目。熟成が進んでおります

話はベーコンに戻ります。制作途中、それぞれ個別にMyベーコンを仕込んでいるNさん、Yさん(焼きそばかあちゃんの略)と、やれ水がいっぱいでてきただの、やれ何日塩漬けするのがいいのかだののドーデモイー情報交換をするのはナカナカ楽しい。写真を見せっこしたりして。

さて、塩漬け開始から、スケジュールの都合でちょっと長めの10日程経ったところで塩抜き開始。ざっと表面を水で洗ったら、水を張った大鍋に入れて、チョロチョロと水を流しながら3時間。水気をよく拭いたところで、どれどれちゃんと塩が抜けたかなあと端っこのところをちょこっと切り取って、フライパンでジュッ。こいつをパクっと食べてみたら、肉のうまみがギューって凝縮された味にびっくりした。なんだこの豚肉は。この段階でムチャムチャにうまいよ。心配した塩気はほとんどなくて、逆に薄すぎて心配になるくらい。まあ長く保存するためのベーコンじゃないから薄味なくらいがいいのかな。しっかしうまいなあ。もう一切れジュー。ちょこっと醤油をたらして。最高。このまま全部食べてしまいたい。

10日経ったよ。 ちょろちょろと塩抜きします。

キッチンペーパーでよく拭きます。 この肉がうめえ。

このまま全部食べちゃってもいいんだけれど、ここはぐっと堪えて干物用の網に入れて日当たりの悪いベランダへ。なんでも燻製にする前に水分をよく飛ばすことが大事らしいよ。カラスに突っつかれないことを祈りつつ就寝。

がんばれマイベーコン。

翌朝、私は雨音で目を覚ました。雨音?、雨〜〜〜〜〜〜〜〜!。あ〜、せっかく干していたベーコンが濡れてやしないかとダッシュでベランダへ。どきどきしながらベーコン肉を確認すると、ネットに入っていたことと、ベランダにひさしがあったことが幸いして、そんなには濡れていない様子。脂身を上にして置いたので、雨を弾いてくれたのかもしれない。ちょっと塩抜きを長めにしただけと思って、とりあえずよく拭いて干しなおせば大丈夫と信じよう。東京の雨水が無害かは怪しいが。いやあ、しかしここ数年で一番寝起きがよい朝だったな。

雨に〜濡れながら〜たたず〜む肉がある〜。 脂が雨をはじいたと信じよう。

よく拭いたベーコンをとりあえず室内で干し、翌日に天気予報とにらめっこをしてベランダで干しなおしたところ、どうにか燻製当日のである翌朝には干しあがったみたい。ふう。

干しあがったらしい。

燻製祭り当日、鞄にMyベーコン用豚ばら肉と、なんとなく刀削面用手作り包丁と小麦粉を持って出発。Nさん宅につくと、大量のカンカラが積んであった。どうやらこれで燻製をするらしい。そして、Nさんの仕込んだベーコンはなんと3キロ。ベーコンっていうのは作った当日だと煙くておいしくないので、翌日以降に食べるのがいいらしんだけれど、そうすると今日集まってくれた人が食べられないので、お土産に持って帰れるように3キロも仕込んだらしい。さすが。とりあえず、Nさん、Yさんとベーコン用の肉を見せ合って「うちの子が一番かわいい」「いや、うちの子がサイズでは一番」「いや、うちの子のほうが色艶がいい」とか、犬を見せ合うおばちゃんみたいな会話を楽しむ。手前ベーコン。

今日はベーコンだけじゃなくてソーセージとかチーズとかもやるらしい。ちなみに、料理の準備からやりたがる側の人たちが昼間集合、料理は食べるのが好きな人たちが夕方集合らしいぞ。

大量の缶。 肉3キロ。

鶏肉。 ソーセージ用の羊腸。

カンカンを積み重ねて、まずはNさんの3キロベーコンの作成だ。チップはたしか桜だ。燻製をしている間、暇なので刀削麺をつくって遊ぶ。友人に小麦粉をこねる係をやってもらったら、「手が痛くなった〜。腱鞘炎ならぬ刀削炎だ〜」って力説していた。5回くらい。はいはい。

えい。 やあ。

缶の切れ端で作った皿にチップを乗せて炙る。 なーにー。

一応温度とか測ってみる。測ったところでどうにもならない。何度が正しいのかも知らない。 気がつくとベーコンからの脂が大炎上しがちです。

ベーコンを作っている間にソーセージを作ります。 ひき肉。

にゅるにゅる。楽しかった。結構力が要る。 暇つぶしにつくった刀削麺。かまあげうどん扱い。

ベーコンの燻製をはじめて3時間。堂々の完成であります。でもちょっと生だったので、4時間くらいやったほうがいいかも。まあ焼いて食うからいいんだけれどさ。

できたー。 ベーコン!

うまそうである。 はあはあ。

ちょこっとつまみ食いしたらちょーうめーかったー。すごいぞベーコン。こいつは明らかにハイカロリーなんだけれど、これを食べて太るんだったら、まあしょうがないかなっていう諦めを感じさせる味。煙くさいっていう感じもなくて、とてもとてもおいしいのだよ。明らかに人生で一番うまいベーコンだ。

ところでベーコンをつくっている間、当然のように台所が煙で充満されるんだけれど、ほら、浅草寺とかいくと、煙を頭とかにかけて健康とかを願うじゃないですか。だからね、これだけの煙を浴びたんだから、しばらくはご利益があると思うんだよね。豚バラ肉が燻されることでこれだけおいしくなったんだから、きっと私の体もおいしくなっているはずだ。ベーコンおいしいし。

で、そろそろ人が集まってきたので、本題である燻製祭りに突入。

お外で木のかたまりを使ってやるやつで冷燻。チーズとか魚肉ソーセージとか卵とかかまぼことかサーモンとか。 手作りソーセージを茹でる。

茹でたてをカプリ、ビールをグビリ。 Myベーコン、Yさんのベーコン、ソーセージを燻製。

Myベーコンを燻している間、なんとなく塩釜というのもやってみたんだけれど、一匹丸ごと売っている魚がカマスくらいしか売っていなくて、景気よく塩辛い出来栄えになってしまった。まあいいや。今度タイとかでやってみようかな。

塩釜。フライパン使用。 ドーン。

ガーン。

ベーコンの煙が充満するガスコンロ前にて、みんなに刀削麺をやらせる。ほら、むずかしいでしょ。つーか、煙で目が痛いでしょ。刀削麺、素人がやると最初に入れた麺と最後に入れた麺の茹で時間の差が激しすぎるので、普通に延ばされて、単なるうどんになってしまった。せっかくなので、ベーコンを使ってウドンカルボナーラ作成。カルボナーラというものを作ったことないけれど、確かベーコン炒めてパスタ(うどんだが)を入れたら、卵黄、粉チーズ、生クリームで和えればよかった気がする。あと胡椒か。なんか適当に作ったけれど、ベーコン自体がめちゃめちゃにうまいのでおいしくできた。ああ胃がもたれる。

シャーシャー。 シャーシャー。

シャーシャー。 手作りベーコンを使ったカルボナーラうどん。

ああ、チーズがとろとろになっている。 卵に鶏肉。

チーズ。とうもろこしみたいなのは網目だ。切れているチーズが切れていないチーズになった。 かまぼことか魚肉ソーセージとかカマンベールチーズとか。

チーズがねえ、とろとろになっておいしいの。かび臭さが煙くささにすり変わって大変うまい。

そして、Myベーコン完成。左側のかわいい方が私のね。さっきよりちょっと長めの4時間燻製してみました。

できた。

手作りベーコン、文句なくうまいよ。


あ、パンチェッタ、別に煙で燻す必要がないのに、なんで私は同時に作ったんだろうという謎と共に、3週間程でなんとなく完成した模様。正直なところ、パンチェッタというものを見たことも食べたことないけれどたぶん完成。生のままちょっと食べてみたら、生ハムの味がした。もうちょっと熟成させたほうがいいのかな。

ずいぶん水分が抜けたなあ。 あらおいしそうな脂身。

パンチェッタの食べ方は、知らない。


ベーコンエッグ丼とベーコンと春キャベツのパスタ
パンチェッタのカルボナーラ

買い物してして

こういうの好きかな