1/7(土)餅つき

お正月に餅つきがしたい。そう思った一人の男が、某所で格安の臼と杵を買ってきた。いや、私じゃない。友人。Nさん。電子レンジで卵爆発させたり地引き網で大漁旗を振り回したり富士山を鉄下駄で登ろうとしたりする人。いや、いい人だよ。本当は元旦に餅つきをやろうと思っていたそうだが、大晦日に来た友人と朝までグダグダとお酒を飲んでしまい、杵を振り回す体力がなくなってしまったという事で今日に延期になったそうだ。っていうか、その中に私もいたのだが。この友人宅から山形に直行したのさ。

で、今日が待望のもちつき。実は私も幼少時代より餅つきというものに淡い憧れを抱いていたので、餅つき日和の空の下、喜び勇んで関東某所にある友人宅へと電車で向かう。よかった、私がうっかり臼と杵を買う前に買ってくれる人がいて。

大晦日は手打ちそばをいただきました。太く短く。 電車でゴー。

集合時間よりちょっと前に到着し、釣り船屋でもらった御年賀の海苔を渡して、いそいそと草むしりやら掃除やら餅つきの準備を手伝う。とかいってNさんの飼い猫と遊んでしまうのだが。今回購入した臼と杵は中古で結構な年代物だということで、昨年末に事前に表面を磨き、さらに汚れを落とすために餅をついているそうだ。えらい。ちなみに臼の価格は100グラムあたりの価格が豚コマよりも安かったらしいぞ。

都合により9000円の海苔を持ってくる。 職人さんみたいな人登場。

猫と臼。 監督という名の猫。

にゃあにゃあ。 とてもべっぴんさんである。

赤いお盆は杵を買ってきたら付いてきたらしい。それはお得だ。

餅をつくには、まず水に浸けておいた餅米を蒸さないといけないとのことで、餅つきのためだけに買ったという大きな蒸し器に布巾を敷いて、なるべくたくさんのお米を蒸す。そして蒸し上がるまでの間に、臼を濡らしたり、わらわらと集まってきた友人知人他人達と準備運動をしたりしてウォーミングアップ。今日はお天気がよくてようございましたなとか年寄り臭い挨拶も大事だ。

餅米を蒸す職人さん。いや、Nさん。 臼を濡らす職人さん。いや、Nさん。

25分程で蒸し上がった餅米を、たっぷりと濡らした臼に素早く移して、杵でギュッギュギュッギュと捏ねる。いきなりガンガンとつく訳ではないらしい。捏ねて捏ねてある程度まとまるようになったら、ペッタンペッタンと餅をつく。ペッタンペッタン。餅を返す人の手を叩かないように、ゆっくりのんびりペッタンペッタン。この杵で餅をつくという作業、普段使わない筋肉を酷使するらしく、大人の男性でも15ペッタンくらいやると足腰がふらついてきて、だんだん危なっかしくなってくる。なのでリレーのバトンの如く杵をみんなで廻しながらペッタンペッタン。ちなみに私は6ペッタンで腰にきた。杵の重さと餅の粘りがね、腰にくるのよ。ペッタンペッタン。でもすごい楽しいぞ。ペッタンペッタン。力一杯怒りを込めて殴っても、餅は柔らかくすべてを包み込んでくれる。ペッタンペッタン。餅のような包容力のある男になりたいものだね。いや、痛そうだからやっぱり勘弁。

まずは捏ねるらしい。ちなみにこの杵はどうやら土に帰りたいらしく、ボロボロと崩れてしまうために使用禁止となる。クワガタの幼虫とかいそう。 ペッタンペッタン。

ペッタンペッタン。 ペッタンペッタン。

ペッタンペッタン。 ペッタンペッタン。

ペッタンペッタン。 できた!木屑が入っているけれど気にしない!

みんなでペッタンペッタンやると、結構すぐに餅米は柔らかいお餅になった。こいつをきな粉、海苔、アンコ、大根おろし、納豆、キムチ、お醤油など、好きな味付けでモリモリと食べるのだ。つきたてのまだ温かいお餅っていうのは初めて食べたんだけれど、すっごい柔らかくてとても美味しい。市販の四角い切り餅とは全くの別物。ちなみに私は軽く炙った海苔で巻いて、醤油をたっぷりとつけて食べるのが好きだ。いや、でも甘いアンコやきな粉もおいしいな。いやいや、さっぱりと大根おろしに醤油とゆずを入れたやつも捨てがたいな。いやいやいや、山形っぽく納豆で食べるのもまたおいしいし。うーん、餅って美味しいんだね。毎年お正月にジイサンバアサンが餅を喉に詰まらせて何人も死んでいるっていうのもわかるな。だって美味しいんだもの。仕方ないよね。新年早々、おいしいお餅をお腹いっぱい食べられて幸せだなと。ふと見上げると、この場にそぐわない文字が目につくが気にせずモリモリと食べる。時間が経つとすぐ固くなっちゃうのよ。

モリモリ食べる。 いろいろな味が楽しめました。

ストーブで海苔を炙る。上にはアンコ。 女性はきな粉が好き。たぶん。

大根おろしもいいよね。 まあわかるんですがね。

いやあ、おいしかったなとくつろいでいたら、Nさんが衣装チェンジをしつつ台所からまた蒸した餅米を運んできた。どうやら第二段がスタートらしい。いえい。なんかだんだん人も増えてきた。ちょっと寒くなってきたので、私は温かい台所に移動して、人生初のお雑煮作りにフィーリングでチャレンジしてみる。関東人なので鰹節と昆布でダシをとって、醤油と酒と塩と胡椒で濃いめに味付け。お雑煮っていうのがどんな味なのか今イチわからんが多分まあオーケー。具は鶏肉、大根、人参、そして三つ葉の代わりに七草の日なのでセリを散らす。せめて一草。お雑煮あった〜い(あったかい)。

ペッタンペッタン。 ペッタンペッタン。

ペッタンペッタン。 ペッタンペッタン。

ペッタンペッタン。 ペッタンペッタン。

冗談で殴り掛かろうとするNさん。 本気で怖がる部長(この子は部長なのよ)。そりゃ怖いって。

お雑煮ってどんなんだっけ? 寒い日はあった〜いお汁が美味しいねえ。

日も暮れてきたので室内に移動し、みんなでモリモリとつきたての餅をいただいていたら、またNさんが蒸した餅米を持ってきた。おお、まだ餅をつく気らしい。なので室内にて餅つき第三ラウンド開始。餅米、8キロを水に浸けたらしく、まだまだあるらしい。男だね。餅米8キロっていうのは8キロの餅になるのではなく、水を含むので倍くらいになるのよね。もうお腹は割といっぱいで、お腹を空かせて餅を食べるために餅をつく。ペッタンペッタン。

昭和っぽい室内。 あちいあちいと餅米登場。

ねりねりこねこね ペッタンペッタン。

ペッタンペッタン。ちょっと疲れてきた。 腰にくるやね。

まだ大量に餅米があったよう。 とりあえず食う。

そして第四ラウンドへ。いい加減みんなお腹いっぱいだけれど、餅米を水につけちゃったしね。ということでエンドレス餅。みんなだんだん疲れてきて、杵を持つ手が怪しくなってきた。そんな訳で大もちつき大会は、餅米がまだ大量に余っているけれどけが人が出る前に強制終了。つきあがったお餅は丸めてお土産用にしましょうね。

現場監督登場。 ツルハシではない。

丸めるどてらの人々。大晦日っぽい。 う〜ん。ちょっと多いか。

うっしゃっしゃっしゃ。 めでたい。

いやあ、楽しいよ、もちつき。つきたてのおもちはおいしいしさあ。ちょと量が多かったけれど。来年もまたやりたいな。よし、次のお正月までに8キロの餅米と戦える体力をつけようかな。


無理。

買い物してして

こういうの好きかな